脳と心と身体の一体治療BMB治療院(Brain Mind Body Relief)

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SCS(筋過緊張・痛み解除療法)

楽な姿勢をつくると、なおる

・オステオパシーの治療家であるジョーンズ先生は、1人の腰痛患者を治療していました4ヶ月も痛みが取れないのです。初めは他の2人のカイロプラクターの治療を受けていましたが、1ヵ月ほど前からジョーンズ先生のところに来ています。ジョーンズ先生もいろいろ手を尽くして治療をしているのですが、一向に良くなりません。

その日、患者がこんなことを言うのです。

夜よく眠れるようになれば、先生の治療が効くと思います。毎晩痛くて、15分おきに目が覚めてしまいます。そのたびに、楽な姿勢を探すのです。」

そこで2人は一緒に【痛みが1番楽になる姿勢】を探すことにしました。体をいろいろな方向に動かしながら、腰の痛みが強くなるか弱くなるかを調べ、20分ほどでやっと楽な体勢が見つかりました。

その時の患者の姿勢はいかにも不格好で、見るからに窮屈そうでした。けれども、本人はその姿勢が1番楽で、気持ちが良いと言うのです。

せっかく楽な姿勢が見つかったのだから、すぐ痛い姿勢に戻すのはしのびない。ジョーンズ先生は、患者の体を椅子やクッションで支え、しばらくそのままの状態を味わっているように言い、別室の患者の治療に向かいました。

20分ほどして戻ってくると、患者はまだ気持ちが良いといいます。それから、患者の体を支えていた椅子やクッションを取り外し、ゆっくりとベッドから降りてもらいました。すると患者はこういうのです。

「先生、腰の痛みがなくなりました。全然痛くありません!」

患者は4ヶ月ぶりに、まっすぐに立つことができたのです。しかも全く痛みがなくなったと言うのではありませんか。患者は大喜びです。ジョーンズ先生もうれしかったのですが、

「あんなにしつこい痛みだった。腰痛が1番の楽な姿勢で消えてしまうなんて、一体どうなっているんだ。何が起きたのだろう?」

その患者の腰痛はずっと再発しなかったと言いす。それからジョーンズ先生は、他の患者にもこの方法を応用していきました。治療成績がぐんぐん上がりました。以後、先生はこの治療法を

【ストレイン・カウンター・ストレイン】(SCS)と名づけ、その発展と普及に生涯を捧げることになったのです。

カウンターストレインの原理

SCS(ストレインカウンターストレイン)は、筋肉の異常収縮を解除する治療法です。

異常収縮している状態を最も痛みが軽くなる方へ番楽な姿勢に関節を持っていくと、異常収縮をしている筋肉をめいいっぱい「たるめる」ことができます。

そしてそのまましばらく置いておくと、「もうその筋肉を収縮させなくてもいい」と脳が学習します。

すると脳は収縮、命令のインパルスを出すことをやめます。後は、関節をゆっくり丁寧に戻していけば、筋の異常収縮がなくなり痛みが消失します。

カウンターストレインの定義

関節をもっとも楽な位置(角度)に持って行き痛みを除去する治療法です。

筋肉の固有受容器の反射以上によって起こる持続的なストレイン信号(収縮命令)を反対側(拮抗筋)にストレインをかけることによって解除することです。

こうすると、異常なストレイン信号を出している筋肉が緩み、そのストレイン信号が消えます。

何年続くかわからないような痛みが、90秒間、反対側のスイッチ【カウンターストレイン】(反対側の筋肉を伸ばす)を行い、ゆっくり戻すだけで消失してしまいます。

カウンターストレインの利点

【痛くない治療】

カウンターストレイン療法は「楽な姿勢にもっていく」ので、急性の怪我や慢性の痛み、手術後の痛みや神経痛のような二次的な痛みなど、様々な疾患に利用できます。

この技法は患者に優しい治療なので、患者の体をめることがありません。


【捻挫など、急性の治療ができる】

カウンターストレインは無理のない治療法なので、急性の患者にも使えます。患者の体をゆっくりと痛みが消える方向へ持っていき、可動域の範囲内で、痛みの全くない姿勢を作ります。

治療者は、組織の緊張が緩むのと痛みが消えるのを目安にして、最も楽な姿勢を見つけます。

患者の主観的な痛みは劇的に消失し、筋肉のガードが緩み、血流炎症性の浮腫が減少します。

神経の異常反射が取れると、血流が良くなり、自然治癒力が増します。血流が良くなり然治癒力が増します。


【老人、子供にも安全】

カウンターストレインの治療はソフトなので、体が弱い高齢者の痛み(関節炎や骨粗しょう症など)や、妊婦、幼児などの治療としても安全で効果的です。

痛みが楽になれば、体操やリハビリが行えるので、患者はどんどん良くなります。


【慢性疾患、古い障害も治る】

もちろん、カウンターストレインは、慢性患者の治療にも大いに威力を発揮します。その理由は2つあります。

第一に、圧痛点を検査して患者の訴える痛みの原を正確に捉えます。

第二に、長い間異常収縮していた筋肉が緩み、正常な神経反射が戻るので、筋肉の力のバランスが取れて関節の動きが良くなります。


手術後でも治療ができる

関節の可動域が小さい患者(脊椎分離症、手術後など)でも、カウンターストレインで痛みや筋緊張が取れます。

楽な姿勢は、可動域の範囲内に見つかるはずです。可動域はだんだん広がり、動きが良くなります。

そうすればリハビリが行いやすくなり、可動域が最大限に回復するでしょう。

炎症性の痛みを鑑別できる

カウンターストレインの圧痛点は、炎症を鑑別する手段にもなります。

カウンターストレインの圧痛点は、ほとんどが「見かけの炎症性の痛み」です。

楽な姿勢に持っていけば圧痛が取れてしまうからです。そうでない場合、実際に炎症があると疑います。

山元美代子
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