便秘の原因と体への影響
女性に多い悩みのタネともいえる便秘
私たちが食事をしてから便として排泄されるまで約24〜72時間(1〜3日間)かかります。
そのため、3日以上排便がない状態や週1回程度であれば便秘とされています。
ですが2〜3日に1度の排便で満足していれば便秘とは考えにくく、個人差があります。
便秘になりやすい体質の人は不規則な食生活や偏った食事による繊維不足、水分不足。
ダイエットによる極端な少食、お薬の副作用、ストレスなどの精神的な要因も快便のさまたげになります。
またトイレが近くなるから、汗をかくからと水分を控えることも便秘を招く原因になります。
もともと水分が不足しているところに腸内でさらに水分が吸収されると便が硬くなります。
便が硬くて出口で詰まっているように感じる方は、体が水分不足(脱水状態)になっている可能性があります。
なので水分を十分に摂ることで便が柔らかくなり、排便がスムーズになり便秘が改善する場合があります。
水分は食物繊維に吸収される性質をもっているため、便のカサを増す役割もあるので、普段から十分に水分を補給するようにしましょう。
1日の水分摂取量の目安は2リットルといわれています。
逆に排便の数が多く、水分を含む、形のない便が出る状態が下痢です。
ストレスの影響
便秘解消を目指す食事
便が固くなりがちな方は水溶性食物繊維を摂るようにしましょう。
便秘は大腸に便が停滞して水分が失われているので、便にうるおいを与えて、排便をスムーズにするオススメの食材は海藻類(わかめ・こんにゃく・きくらげ)。
寒天や海藻類には「アルギン酸」という水溶性食物繊維が多く含まれます。
りんごやみかんなどの果物、人参やキャベツ、トマトといった野菜類には「ペクチン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれます。
水溶性食物繊維は便の水分量を確保してくれる他、整腸効果や善玉菌を増やす効果も期待できます。
また善玉菌(善玉菌を含む食品、ヨーグルト・チーズなどの乳製品・キムチ・納豆・漬物などの発酵食品)は腸内環境を整える効果が期待できます。
また善玉菌の餌になるオリゴ糖(きなこ・玉ねぎ・ごぼう・はちみつなど)の食物繊維を取り入れることもオススメします。
個人差がありますが、牛乳やヨーグルトドリンク、パインジュースやリンゴジュースなどの飲み物には多くの有機酸が含まれており、積極的に摂取する事で便秘を解消させる効果や、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインにも腸内運動を活性化させる作用があり、便秘解消が期待できます。
また水に溶けにくい不溶性食物繊維は便の体積を大きくして大腸を刺激して排便をうながします。
納豆やりんごは食物繊維の中でも、不溶性食物繊維を豊富に含む食品になります。
不溶性食物繊維(さつまいも、じゃがいも、ほうれん草、ピーマンなど)は、便の源となり便の量を増やします。
便の量が増加することで、腸が刺激され、腸の蠕動運動が活発になる効果が期待できます。
肉類や卵などの動物性食品の摂取が多過ぎると、腸内環境を乱す悪玉菌を増殖し、便やガスが臭くなったりする原因となります。
外食が多い方も、野菜中心のメニューを選ぶようにしながら食生活を正していきましょう。
また柿やお茶に含まれるタンニンは、大腸のぜん動運動を抑制してしまう可能性があります。
まれに食物繊維を多く摂り過ぎると便秘になったり、お肉を沢山食べた方が便が出やすくなる方もいるので、ご自身の体質に合わせたものを知ることをオススメします。
便秘になったら注意するべきこと
便秘には様々な症状がありますが、便が固く、なかなか出ない時のいきみは便秘の方よく訴える症状です。
トイレで強くいきむと痔になるだけではなく、血圧が急上昇して、心臓や血管系に大きな負担がかかる為、心不全、心筋梗塞、脳血管障害等の疾患を起こす危険性が高まります。
便が長期間滞留し続けると、私達の腸内細菌に悪い影響を与えます。老廃物を再吸収してしまい、腸内で腐敗物が増えて代謝が悪くなります。
その結果、腹部に皮下脂肪がつきやすくなり、更にお腹がポッコリとしていまします。
それが原因で肌荒れや肩こり、最悪の場合には大腸がんになってしまうこともあります。
また便がエサとなって、クロストリジウムなどの悪玉菌が増殖します。
そして発ガン物質、発ガン促進物質、アンモニア、硫化水素などの有害物質や、おならの元となるガスを発生させます。
腸内環境が悪化するとおならが多い、臭いの強いという症状が起こります。
特に注意するべき事は、突然便秘になった、便が細くなった、お腹にしこりがある、便に血や粘液が混ざる、重度の便秘で何をしても改善しない、激しい痛みがある、嘔吐がある、発熱がある等、このような症状がみられたら、医師の診断を受けましょう。