よくあるご質問 Q&A 19〜25
19、カイロプラクティックが神経系に働きかける治療法であることはわかりましたが、それを具体的に知る手がかりはありますか?
現在、医療検査器具の技術革新は日進月歩であり、一般家庭の中にどんどん入り込んでいます。
例えば、血中酸素濃度計測計。
今では、医療機器メーカーが健康管理の一環として家庭用の測定器具を販売しています。
もちろん、異常があればお医者さんに診てもらいなさい、と言うことになりますが、カイロプラクティックもこの測定器具を使って、治療効果を確かめることができます。
例えば、患者さんに治療前に血中酸素濃度を測定してもらいます。
すると92%と出ました。かなり低いです。血流障害が疑われます。
必要な治療をして神経系に刺激を入れて、治療後再度、患者さんに血中酸素濃度を測ってもらいます。
すると、98%に上がっています。改善しました。
このような例は枚挙に暇がありません。
カイロプラクティックが自律神経系に働きかけて血流の改善に寄与している事は明らかです。
また、様々な神経反射の窓を使って調べることもできます。
例えば、瞳孔反射。検眼鏡の光を当てると、左右の動向の反射にアンバランスがたいていの人に見られます。
治療後これが改善しておればOKと言うことになります。
もし、治療によって痛みが軽減しても、瞳孔の反射に改善が見られないかもしくは悪化している場合、神経系の働き(機能)が正常に回復していないことを示唆しています。
このような場合、痛みの軽減は一時的で再発する恐れがあります。
こうした窓が沢山あり、治療前後に観察すると治療の経過がよくわかります。
また、筋肉の弱かったトーンが正常に戻ることでも神経系の機能回復がわかります。
近い将来、PETなどの脳の機能を測定する高次検査法が利用できるようになれば、カイロプラクティックの治療法が脳が中心とした神経系の活性化を促していることが判明するでしょう。
きちんと勉強したカイロプラクティック治療院は、神経系の機能回復を知る様々な指標を使って、具体的に患者さんに知ってもらうことができるようになっています。
20、カイロプラクティックが神経系の働きを非常に重視していることはわかりましたが、でもやはり骨がずれる事もあるのではないですか?
問診票の主訴のところに、「骨盤のズレ」とか「背骨のズレ」とかを記述される先生が時々ます。
また、「先生、私の背骨はずれていませんか?」という質問をたくさん受けます。
まさにこれは、カイロプラクティックと言う療法が「骨のズレを矯正する」治療ずつであるとの認識が国民の間に浸透している表れでありましょう。
しかし、これは間違いです。あるいは正しくはありません。
ごく一部を捉えて全体であるかのように受け止められているからです。
この認識は国民の責任ではありません。
間違ったカイロプラクティックについての見方を、長い間国民に知らせてきた報いが返ってきているのです。
骨は、はずれる事はあります。顎がはずれる。肩がはずれる。股関節がはずれる。
これは脱臼です。
関節がはずれると、筋肉は支点を失って、関節を動かすことができず、顎や腕や脚はだらんとしてしまいます。
これはカイロプラクティックの範疇ではなく、整形外科の範疇です。
では、骨は、ずれたりするのでしょうか?結論から言うと、骨がずれる事はありません。
背骨がずれたら大変です。
背骨には脳から連結した脊髄が通っています。
もし背骨がずれたら、脊髄を損傷して身体が麻痺してしまいます。
レントゲン写真を見ると、脊髄損傷の患者の中には骨がずれたように写っているものがありますが、これは靭帯が損傷して関節が緩んだためです。
半ばはずれた状態です。
文字通り、これは亜脱臼。
これもカイロプラクティックの範疇ではなく、整形外科の範疇です。
外科的手術の対象となります。
通常「骨のズレ」と言われるものは、外観上の骨格の歪みをさしている場合がほとんどです。
首が右に傾いている、左の方が下がっている、腰が右に曲がっている、ウェストのラインが傾いている等々。
もともと、初期のカイロプラクティックは、こうした骨のズレを「不整列」、あるいは「位置異常」と呼んでいました。
しかし、これはある静的な状態で見る限り、そう見えるだけのことであって、実際には、関節の可動域が制限されて、動きをブロックされている状態のことを指します。
後のカイロプラクティックはこれをフィクセーション(関節の可動域の制限)と名付けました。
関節に鍵がかけられて動かない状態のなので、ロックされた状態ともいいます。
人間の背骨で言えば、棘突起という骨の出っ張りが右には回旋しやすいのに、左には回旋しにくい状態と同じです。
人間を動かない静的状態で後ろから見ると、背骨が右にずれたように見えるのです。
こうしたフィクセーション(関節の動きの制限)は、背骨の動きに関連した多裂筋、回旋筋、横突間筋といった筋肉のアンバランスがあると生じます。
したがって、骨はずれるのではなく、背骨(椎骨)の一つ一つの関節の働きが制限された結果、背骨全体を見ると歪んで見えるのです。
そしてこれらの歪みを作る筋肉のアンバランスは、筋肉に命令を与えている神経系のアンバランスから生じているのです。
カイロプラクティックが神経系の機能を回復させる治療であるというのはこの点に根拠があるのです。
もう一つ、背骨は健康に大事である、背骨は一家の大黒柱のようなものである、といったイメージが刷り込まれているので、骨のズレは大変だ、と言う意識につながるのですが、人間の背骨は決して支柱ではありません。
背骨や骨盤や頭蓋骨を支えているのは筋肉です。
筋肉がある為、直立歩行もできるのです。
実際は背骨や骨盤や頭蓋骨の支柱となっているのは筋肉です。
骨はこの筋肉と筋膜に包まれているのです。
そして、この筋肉に命令を与えているのが、脳からの神経系の命令なのです。
ですから、姿勢を見て身体に歪みがあると認められるときには、神経系の働きに何らかの異常があるとプロである私たちが見るのです。
では、カイロプラクティックの治療は骨をポキポキさせて、ズレを矯正しているのではないか?と当然の疑問を持つ方もおられるでしょう。
実は矯正の目的は骨をポキポキ言わせるのではなく、本当の目的は、神経系末端にある感覚受容器を刺激し、その情報が脳に到達して、神経系のアンバランスを是正させることです。
バランスを回復した脳は、筋肉にフィードバックされて、筋肉のアンバランスを正常に改善して、結果的に体の歪みを矯正します。
問題は正しい脳への刺激の入れ方ができるかどうかですが、そのためには患者さんの身体全体を見ることができて、しかも神経系の働きを十分に熟知しているかどうかです。
カイロプラクティックは神経系の働きを正常に戻すことを通じて、身体の歪みを矯正し、健康を回復させるのです。
21、カイロプラクティックは神経系の異常やアンバランスを見つけて治療する以上、やはりいろいろ検査をして悪いところ見つけるのでしょうか?
もちろん、検査をしてどこが悪いのかを正確に判断します。
それが「見立て(診断)」になります。
ろくな検査もしないで治療するのは治療ではありません。
当てずっぽうな治療です。
素人言う名に値しません。
正確な診断がなければ、正確な治療はできません。
検査は治療室に入ってくるときから始まっています。
どんな表情か?瞼の状態はどうか?歩き方はどうか?腕の振りはどうか?姿勢はどうか?握手をしたときの手はすべすべしているかしっとりしているか? 一連の神経学的検査をします。
瞳孔の反射はどうか? 三半器官の働きはどうか?目の動きはどうか?等々。
また、関節の可動域、必要な整形的検査、筋肉反射検査、下肢長検査、血圧、脈拍などのバイタルサインを調べます。
また、いろいろな反射テストをして、自律神経の働きを見ます。
このほか、身体の様子を見る「窓」はたくさんあるので、その後に関連した検査を行います。
筋肉反射検査や下肢長検査もその大切な1つです。
こうして、検査により、身体のどの部位に神経的な機能障害があるかを特定して、治療することになります。
また、この神経的な機能障害の背後に、アレルギーがあったり、感情的しこりがあったり、栄養障害や有毒物質の蓄積などがあったりすることがあるので、そうした点も検査することになります。
22、検査をして診断もするのでしょうか?
私たちは西洋医学のいうような診断はしません。
また能力もありません。
と言うのは、西洋医学の診断は病理の診断です。
病理の診断をもっと具体的に説明しますと、病理学的な異常を、病気の原因と考えて、レントゲンやCTなどいろいろな検査で、病理学的に異常個所がどこにあるかを探すことです。(病理学的な異常とは炎症、腫瘍、潰瘍、癌など身体の細胞組織が変性を起こしている状態をいいます。)
西洋医学が扱うのは、検査で異常箇所を特定することができる器質性の病気です。(細胞組織が変性を起こしている状態)
この状態を扱う専門医としての訓練を受けています。
この領域での診断と治療は得意です。
ところがそれ以前の器質性疾患(機能障害を原因とする病気)の状態については不得意です。
ですから、検査して病理学的な異常が見つからないと、原因はわからないが「とりあえず」症状を取るための対象療法を行うのです。
また、「様子を見ましょう」と言って、診断のできる病気になるのを待つのです。
ところが、腰痛や首の痛み、膝の痛み、肩の痛み、頭痛など、日常生活に支障をきたす大部分は、機能的な異常を原因とする機能性の疾患なのですが、この機能性疾患の事実を認めない多数の西洋医学の人々がいるのも事実です。
カイロプラクティックは、器質性の疾患に移行する前の機能性疾患の段階で、原因を特定することができる検査と分析、そして治療技術を持っています。
これがカイロプラクティックが西洋医学よりも優れたところです。
また、この範疇は東洋医学の言う「未病」の領域と合致します。
ですから、診断と言う言葉を広い意味で理解すれば、私たちもどこに悪いところがあるかを見ますから、診断をしていることになりますが、西洋医学的な病理学的診断はしていないので、「見立て」、「分析」、「鑑別検査」と呼んでいるのです。
医療は多様な治療術から構成されています。
西洋医学だけが医療ではありません。
国民が多様な医療を選択できることが重要となります。
ところが現在の日本の健康保険制度は、掛け金を支払っている患者さんが、自分が希望する医療を自由に選択することができないのが現状です。
23、カイロプラクティックの治療を受けると、よく好転反応が出ると言われます。この反応について教えてください。
まず、不快な症状はその大半が身体の自然治癒力が働いている証拠といえます。
自然治癒力が働いているから、不快な症状があるのです。
もちろん、自然治癒力が働く背景には病気の原因があります。
原因がある限り、身体は元の正常な方向に持っていこうとする自然治癒力が働きますから、それに伴い、不快な症状、典型的には痛みが発生するのです。
ですから、不快な症状は何か身体に異常があることを伝えてくれる「信号」なのです。
例えとして、普段正座をしたことない人にちょっとの間正座をしてもらいます。
立ち上がる時、どういう症状が生まれますか?
強いしびれが出ますね。
これは血液が改善するときに起こる不快な症状です。
身体が正常に働き出すと、不快な症状が生まれるのです。
もし不快な症状だけを取り除こうとすれば、元の正座の姿勢に戻ることが一番です。
血液の流れを止めることです。
実はこれと同じことが西洋医学で使われている消炎鎮痛剤とかステロイド剤で行われていることです。
一人ひとりのお医者さんはこの患者さんの痛みや痺れをとってあげたいと思って、こうした薬を処方していると思います。
しかし、そうした思いとは正反対に、原因を再度作り出すことで、症状をとっているのです。
したがって、薬の効き目がなくなると、症状が再発します。
こうして薬をずっと飲み続けることになるのです。
カイロプラクティックの場合、原因となる事実、神経系の働きを元の正常なレベルに戻しますから、血流が改善します。
すると、一時的に痛みや痺れが増すことがあるのです。
これは正座から立ち上がるときの場合と一緒です。
しかし、原因を除去しているので、直にこうした不快な症状は消えていきます。
一般的に自律神経には交感神経と副交感神経の2つの働きがリズム的にバランスを保っていますが、病気の人は、交感神経が亢進して、血流が低下している人が多いのです。
カイロプラクティックは交感神経を制御して、副交感神経の働きを元に戻しますので、副交感神経の分泌の働きを促進します。
すると、一時的に、かゆみ、下痢などが生じることがあるのです。
こうした反応は従来好転反応(よくなる前の一時的な悪化)と言われていましたが、身体の治療反応の一部なので、今は治療反射と呼んでいます。
24、薬を飲んでもいいですか?
これはよく聞かれる質問です。
「はい、いいですよ。お医者さんからいただいた薬は指示通りに飲んでください」
このようにお答えしています。
お医者さんの薬は大部分が症状を抑える対症療法ですが、しかし、喘息の発作など、症状が突発的に起きて、生命に脅威となるような場合もありますので、薬は必要です。
私どもカイロプラクティック治療は、原因を除去するにつれて、薬が結果的に必要としなくなる治療です。
消炎鎮痛剤やステロイドなど、一時的に劇的な効果を出すものの、継続的に使用していると、とんでもない副作用をもたらす薬の場合でも、患者さんが納得の上で止める場合を除いて、無理に使用することを患者さんに求めていません。
風邪やウィルス感染の疾患でも、カイロプラクティックやアレルギー治療に自律神経のバランスを取り戻すとより良い結果を生みますが、それも個々の患者さんの置かれた条件に左右されます。
もし、治療後も熱が下がらなかったら、お医者さんに行ってお薬や点滴を受けてください、と患者さんに説明します。
患者さんが衰弱していたりして、自然治癒力の回復を早期に期待できない場合がこれに当てはまります。
血圧の降圧剤等も、対症療法を永続化した、現在の健康保険制度だけが許す得意な薬ですが、私たちの治療は結果的にこのような薬が必要としなくなることを目的としています。
難治化したアトピー性皮膚炎もその根源はステロイドが原因です。
最大のアトピービジネスは実は「ステロイド」に他なりませんが、この元凶であるステロイドも専門家の脱ステロイド以外には、無理にステロイドの使用について患者さんにとやかく言っておりません。
ただ、ステロイドの危険性だけはお話ししております。
私どもの治療は結果的にこの有害なステロイドの使用しなくても済む結果を生み出すことです。
何事も患者さんの目線に立って、患者さんにとってベストな選択とは何か?を考えるからです。
一般的に、西洋医学にも得意分野・不得意分野、カイロプラクティックのような代替医療にも得意分野・不得意分野があります。
実際に、外国では、個々のケースで共同ケアをとることが多いのです。
そして大きな治療効果をあげています。
日本の場合、代替医療について認めていない医者が多いので、それは代替医療の専門家と患者さんの知恵で対処するしかありません。
それでも患者さんにとってベストな方法とは何かをいつも考えて、必要な場合、患者さんにお医者さんのところに行くように説明しています。
患者さんはお医者さんの前では自分がカイロプラクティックにかかっていることを話しませんが、私たちの治療院では、いろいろな病気でどんな先生にかかっているか全部話していただいております。
その上で、的確な治療計画を患者さんと一緒に考えます。
しっかりと患者さんと向き合って、患者さんの目線に立って、患者さんと一緒になって、治療を進めていきます。
25、カイロプラクティックはどんな疾病(病気)に効果があるの?
脳の働きと連なる神経系は、身体のほとんどすべての組織、器官をコントロールしています。
手足や身体を動かす筋肉、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などや、呼吸運動や眼球運動や内臓の働き、内分泌系や身体の防御システムである免疫系、さらには心のはたらきさえも神経の働きがコントロールしています。
そのため、神経の働き(機能)が乱れると、このような身体のすべての機能(働き)が正常に作動しなくなるので、病気になるのです。
カイロプラクティックはこの乱れた神経系の働きを、正常に戻すことを主要な目的としていますので、様々な機能性の疾患(病気)に効果があります。
具体的には次のようなものです。
【筋肉・骨格系のトラブル】
⚫︎上半身のトラブル
頭痛、めまい、肩こり、首の痛み、寝違い、むちうち症、頸肩腕症候群、顎関節症、五十肩、肘関節や手関節の痛み、上肢のしびれや神経痛、側湾症
⚫︎下半身のトラブル
腰痛症、ぎっくり腰、背部痛、股関節、足関節の痛み、下肢のしびれや神経痛、坐骨神経痛、偏平足、外反母趾、O脚や猫背
【内臓系のトラブル】
不眠症、眼精疲労、高血圧、低血圧、胃弱、内臓機能低下、便秘、生理不順、生理痛、精力減退、自律神経失調症、痔、喘息、更年期障害、慢性疲労、倦怠感、冷え性
【その他のトラブル】
肥満、アレルギー、アトピー、機能性、低血糖症、腎機能障害、肝機能障害、スポーツ障害
原因が分からない心身の不調や痛みは何でもご相談ください。